女性にしかできない職業
女性の仕事、というより女性しかできない仕事が、確実に一つあります。法で定められているからです。それは、助産師です。助産師は英語でmidwife、midとはwithと同じ意味、wifeと共に、wifeに寄り添う、そういう意味になるそうです。女性の出産にまさに寄り添って、女性の産む力を引き出す役割の仕事、それが助産師の仕事のメインの部分と言えましょう。私の出産のときも、産前からいろいろ相談に乗ってくれたり、いろいろな心身の準備を指導してもらい、いざ出産では、本当に、助産師さんが例えば水を汲みに一瞬離れただけで不安になり、戻ってくると同じ陣痛の痛みに耐えるのでも、心強く思ったものです。そして、この助産師の仕事は、妊産婦の指導、健康管理、お産の誘導だけではありません。
産後の訪問で、育児相談や母乳相談を受けたり、さらに私の場合は、妊産婦向けカイロプラクターの技術を持った助産師さんに、産前産後の骨盤ケアをしてもらい、大変助かりました。(妊娠するとホルモンのせいで関節などが弛むのです。なので、適切に手当てをしないと、妊娠中、産後、腰痛に悩まされたり、歳を取ってからも骨の問題が出やすくなります。)
助産師は以前は助産婦と呼ばれ、さらに昔は産婆と呼ばれて、女性の仕事でしたし、先にも述べたように、法律で女性に限定されています。そのことについては、しばらく前から議論がなされていますが、まだ結論に達しておらず、現状維持です。個人的な意見としては、お産の時一番メインになって産婦にかかわり立ち会うことや、従って女性の体のデリケートな部分を扱うこと、妊婦や産婦は心理的にナーバスになりやすいので、男性に長時間体を見られたり触れられたりすることや、いろいろな相談をすることはすごく心理的な苦痛や重荷になりかねないことから、できれば今後も女性に限定した資格、仕事であってほしいなと思います。
単なる病気で入院した時に、薬と不正出血の関係について、たまたま男性看護師さんに相談せざるを得なくなった際には、ひどく苦痛だったことを思い出します。ましてや大変なお産にまつわる場面では…と思うのです。